「生きていること=労働」を体現する仕組みとしての国家による生存保障
![]() | ベーシック・インカム入門 (光文社新書) (2009/02/17) 山森亮 商品詳細を見る |
出版社/著者からの内容紹介
◎ 本書概要
世界的に注目される
「ベーシック・インカム(基本所得)」。
この仕組みは現代社会に何をもたらすのか?
労働、ジェンダー、グローバリゼーション、
所有......の問題を再考する。
◎ 内容
ベーシック・インカムは直接的には新しい社会保障の考え方であり、
何より貧困問題の解消に一役買うことができると私は考えているけれども、本書は社会保障についての技術的なものではなく、
もう少し別なものを目指している。
個人の生活と社会の関係、労働とは何か、
といった事柄について改めて考えてみる、
そんな本のつもりである。
(「はじめに」より抜粋)
近年におけるグローバリゼーションのなかで、
約二〇〇年の歴史をもつ「ベーシック・インカム(基本所得)」の概念が
世界的に注目を集めている。
この新しい仕組みは、現代社会に何をもたらすのか。
労働、ジェンダー、グローバリゼーション、所有......の問題を、
あらゆる角度から捉え直す。
◎ プロフィール
山森亮(やまもりとおる)
1970年神奈川県生まれ。京都大学大学院経済学研究科修了。
東京都立大学、ケンブリッジ大学研究員などを経て、
同志社大学経済学部教員。専攻は社会政策。
共著に『経済学とジェンダー』(明石書店)、『福祉国家の変貌』(東信堂)、
『ポスト・リベラリズム』(ナカニシヤ出版)、
『アマルティア・センの世界』(晃洋書房)などがある。
ベーシック・インカムについては国際学術誌Basic Income Studiesの
編集委員を務めた他、日本では雑誌「現代思想」、
「VOL」、「経済セミナー」などに寄稿。
内容(「BOOK」データベースより)
ベーシック・インカムは直接的には新しい社会保障の考え方であり、何より貧困問題の解消に一役買うことができると私は考えているけれども、本書は社会保障についての技術的なものではなく、もう少し別のものを目指している。個人の生活と社会の関係、労働とは何か、といった事柄について改めて考えてみる、そんな本のつもりである。近年におけるグローバリゼーションのなかで、約二〇〇年の歴史をもつ「ベーシック・インカム(基本所得)」の概念が世界的に注目を集めている。この新しい仕組みは、現代社会に何をもたらすのか。労働、ジェンダー、グローバリゼーション、所有…の問題を、あらゆる角度から捉え直す。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
山森 亮
1970年神奈川県生まれ。京都大学大学院経済学研究科修了。東京都立大学、ケンブリッジ大学教員などを経て、同志社大学経済学部教員。専攻は社会政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
http://renqing.cocolog-nifty.com/bookjunkie/2010/04/2009-4439.htmlより引用
山森亮『ベーシック・インカム入門』光文社新書(2009)
目次
はじめに ベーシック・インカムとは
第1章 働かざる者、食うべからず―福祉国家の理念と現実
1-1ベーシック・インカムの概要
1-2福祉国家の仕組み
1-3 日本の現実
*第1章のまとめ
コラム①ベーシック・インカムは労働と所得を分離するか?
第2章 家事労働に賃金を!―女たちのベーシック・インカム
2-1アメリカの福祉権運動
2-2イタリアの「女たちの闘い」とアウトノミア運動
2-3イギリスの要求者組合運動
*第2章のまとめ
コラム②個人単位とフェミニズム
第3章 生きていることは労働だ―現代思想のなかのベーシック・インカム
3-1ダラ=コスタのユニークな解釈
3-2アントニオ・ネグリの論理
3-3青い芝の会―日本の障害者運動
*第3章のまとめ
コラム③リバタリアン・バージョンvs.アウトノミア・バージョン?
間奏「全ての人に本当の自由を」―哲学者たちのベーシック・インカム
第4 章 土地や過去の遺産は誰のものか?―歴史のなかのベーシック・インカム
4-1「野蛮なマルチチュード」の自然権
4-2市場経済の成立とベーシック・インカム構想出現の同時性
4-3フーリエ主義とJ.S.ミル
4-4ギルド社会主義と社会クレジット運動
4-5ケインズ、ミード、福祉国家
*第4章のまとめ
コラム④ベーシックインカムの起源は律令国家?
第5章 人は働かなくなるか?―経済学のなかのベーシック・インカム
5-1ベーシック・インカムは労働インセンティブを低めるか?
5-2技術革新と希少な労働
5-3誰がフリーライダーなのか?
5-4給付型税額控除―現実化した部分的ベーシック・インカム
5-5ベーシック・インカムと税制
*第5章のまとめ
コラム⑤-1ベーシック・インカムを主張するのはマイナーな経済学者?
コラム⑤-2ベーシック・インカムの断絶史
第6章 “南”・“緑”・プレカリティ―ベーシック・インカム運動の現在
6-1ベーシック・インカム世界ネットワーク
6-2〈緑〉のベーシック・インカム
6-3福祉権運動のその後とプレカリティ運動
第6章のまとめ
*ベーシック・インカムに関するQ&A
おわりに 衣食足りて・・・?
参考文献
ここまで
ベーシックインカムには、様々な考え方があるのも事実です。
上に紹介した本は、ベーシックインカムは社会福祉国家の理想のあり方
として紹介されています。
実は私はそれは少し間違いではないかと思います。
生存保障国家であり、福祉国家などというものではないと考えるからです。
まずは200年たっても実現できない理由を
この本を読まれて考えてもらいたいと思います。
言ってみればこの世が自由で平等な社会であるということが
全てうそだということになると思うんですよ。
それを解消するのが「生存保障としてのベーシックインカム」にあたる
のではないかと私は考えております。
ちなみに、私はフランス革命思想が
この世で最も欺瞞に満ちた思想であると受け止めております。
人間にとって何より大事なのは何か。
それは生きていて、生きていけることである。
そして生きていること自体が最も重要で基本的な「労働」なのだ。
しかし、現世では「生きていること」をないがしろにし、
当たり前であるかのように捉えられるようになっている。
本当は、(どんな風に生きているかは別として、とにかく)
生きているだけで奇跡であり、素晴らしいことであり、
また、お互いに評価されるようなものなのである。
現代に生きる人は特に「自分が生きていること」を評価しなさすぎであり、
何もかも個人的なこととして捉えるという(私も若いけど)。
まずは国家という組織の存在とそのあり方を、
少しでも自然な社会に近づける必要があると思う。
幻想の中に全ての生きがいを見出すのはあまりにも虚しい。
国家があって良かったと思える社会にしようではありませんか。
「生きていること=(最低限の)労働」
であることを国家に認めさせようではありませんか。
今こそ、本当の革命を、起こそうではありませんか。
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